TOP部活動メイン 株式会社りっけん物語 > 第1話
若者の居場所づくりと活躍支援
りっけん村・ネットゲームカフェ「サークルゾーン」にて
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ぶんか
「気軽に立ち寄れる安全な居場所を確保するため、若者の交流場所、勉強場所、食事などを提供する拠点をつくります。」って初めに書いてあるんだけど、ここで言う若者の交流場所の一つがこのネットゲームカフェ「サークルゾーン」なんだよね
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へいわ
こういうネットゲームカフェを、交流場所の一つにしたいと思って、このカフェでは「見守りシステム」と「ヘルプデスク」を常設してるんだけど、学校よりは居心地が良いといいんだけど。
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ぶんか
学校は、気軽に立ち寄れる場所というより行かなければならない場所だね。
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へいわ
このカフェでは、若者を食い物にしようとする宗教団体や詐欺師や詐欺師集団をシャットアウトするための場所にしたいと考えてる。
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ぶんか
このカフェが安全だと仮定して、安全な場所を作っても、安全じゃない場所に行きたがる若者もいるよね
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へいわ
それは、スリルを求めてということかな?極端な例を言うと、危険とされている雪山登山やスカイダイビングみたいな
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ぶんか
安全対策をしっかり取れば、どっちも安全だけど、まぁそういう場所も含めて、これからはあらゆる場所を安全な居場所にするということ?
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へいわ
あらゆる場所はさすがに無理でしょ。 りっけん村では、この施設のように基本的に複数名が集まる場所にWEBカメラが設置されていて、その場にいることで監視者の目で見守られてる。 このシステムを理解して協力してくれる企業が真似してくれるなら拡がるけど。
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ぶんか
余計な費用をかけて安全システムを構築できる企業は多くないよね
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へいわ
そうね。結局は、公共施設に限られてしまうことになる
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ぶんか
安全システム設置のための補助金を企業に出すというのは?
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へいわ
補助金も悪い方法ではないけど、このりっけん村の安全システムは、ある意味プライバシーに踏み込む監視システムだから、拡がりを期待するのは難しいと思う。
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ぶんか
「誰かに見守られている」ということは「誰かに生活を覗かれてる」という事だからね。見守ってほしい時と、干渉されたくない時のオンオフの切り替えは難しいよ
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へいわ
そうそう、だから、見守りシステムよりも、相談窓口、つまりヘルプデスクを拡げていきたいんだけど、ヘルプデスクは見守りシステムよりも人材の確保が難しいから軌道に乗せるためには時間がかかる。住民10人に1人が理想だけど、今は村の人口50人を3人でやってる
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ぶんか
そういえば、このネットゲームカフェは、見守り用のWEBカメラのある場所とない場所があるけど
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へいわ
個室はカメラ有りとカメラ無しが選べる選択制ね、そして、ラウンジルームはカメラ有りで、交番を含めたあらゆる場所から見守りができるようになってるはず
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ぶんか
人が集まる場所には、スカウトマンや宗教の勧誘、詐欺を目的にする人が集まり易いからだよね?
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へいわ
怪しい人に遭った時に、交番への直通電話もできるようになってるはず
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ぶんか
交番への直通電話を使う若者はほとんどいないけどね
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へいわ
そういうシステムが完備されてて、きちんと機能していることが安全な居場所を作ることになるの
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ぶんか
危険を感じたら連絡する。自己責任ではなく、まずは、迅速に安全確保のための連絡と相談をする。その習慣を若者は身に着ける必要があるってことだね。
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へいわ
あとね、危険人物の全てを排除することはできないから、そういう危険人物に詐欺や窃盗などの犯罪を起こさせないようにすることも大事
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ぶんか
危険人物といえば、きんろうさんが、この村に転入するって聞いたけど
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へいわ
そうそう、彼は結婚詐欺の常習者だから、彼の監視体制は強化しなくちゃ
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ぶんか
りっけん村の中に人狼が入り込むような事態になるね
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へいわ
そういう危険人物から若者を守ることも「気軽に立ち寄れる安全な居場所を確保」することになるわけ。 特に彼は、個人情報を握った上で金銭を騙し取ることを得意としてるから
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ぶんか
若者のお金を狙う詐欺師は多いというからね
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へいわ
あと若者を働かせて正当な給与を払わない雇用主もいるから、そういう雇用主の企業も安全とは言えない
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ぶんか
騙された時に金銭被害を補填する方法に保険制度はあるけど、若者は保険には加入しないからね
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へいわ
被害を小さく抑えるために保険というのは有効だけど、目指すのは、被害を未然に防ぐこと
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ぶんか
未然に防ぐってのは難しいよね。もっとも、安全な場所を創るのも難しい、それを維持する事はもっと難しいね
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へいわ
そうね、詐欺師のような危険人物を駆逐しないと村人は安全を手に入れられないから
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きんろう
つまり、俺は駆逐対象ってことか?
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へいわ
あら?
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きんろう
へいわが、新しい村の村長になったというから、秘書が必要だと思ってやってきたのに、俺は駆逐対象の巨人扱いか?
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へいわ
巨人というよりは、人狼ね
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ぶんか
きんろうさん、いらっしゃい
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きんろう
まだ、この村の人口は50人なんだって?それじゃ、悪人を探すほうが難しいだろう?
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ぶんか
村の人に悪人はいなくても、ネットで世界とつながってるから、悪意のある詐欺師からの勧誘はまだ防げないんですよ
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きんろう
なるほど、ネットを使った金銭詐欺だな
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へいわ
怪しい勧誘を受けたらヘルプデスクに連絡して相談する仕組みはできてるんだけど
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きんろう
ヘルプデスクの利用者は、まだ少ないだろう?
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へいわ
そうね、相談窓口やヘルプデスクで一番重要なのは、信頼されるということ、そして間違ったアドバイスをしないことだからね
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きんろう
信頼される以前の問題だな。詐欺に遭うというのは、自分の恥だから、わざわざ恥を晒す人間は少ないってことさ。
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ぶんか
確かに、俺は詐欺に遭った!騙された!と言う若者は少ないと思う
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へいわ
そこが問題よね。相談してもいいんだって思ってもらわないと
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きんろう
詐欺師から若者を守る方法の一つは、詐欺師を一掃すればいいのさ
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へいわ
それができれば苦労はしないよ
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きんろう
人狼と思える者を吊るすように、詐欺師の疑いのある者を隔離すればいい。いわゆるゾーニングだな。
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へいわ
疑わしい者も?
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きんろう
人狼ゲームはそうやってるだろう?
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へいわ
ゲームと現実は違う
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ぶんか
要は罰則を強化するってことだよね
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きんろう
そうだな。シートベルトやヘルメットの着用、飲酒運転、そういうルール違反者の取り締まり強化をすることは絶対に効果がある。しかも実績もあるだろう?
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ぶんか
でも、詐欺師は法律を逃れる方法も熟知してるって聞くけど。
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きんろう
それは、詐欺師まがいの連中に法律を作らせてるからだ。まっとうな人間に法律を作らせれば解決する問題さ。
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へいわ
なるほど、元結婚詐欺師の言葉は、重みが違うわね
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きんろう
法律を熟知してるから、俺は弁護士も探偵もできるわけだ。結婚詐欺は1回で懲りたから、もうやめてるよ
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ぶんか
でも、刑法を変えるには、法律を作ってる連中を総とっかえしなくちゃいけないんだよね
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きんろう
そうそう、そういうことだ
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ぶんか
それは時間がかかるよね。いつ国会議員の顔ぶれが変わるかは、全くわからない。
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きんろう
俺は安全な居場所を創っていく、増やしていくことに反対してるわけじゃないからな
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ぶんか
安全な居場所創りに見守る人やヘルプデスクが必要だとして、それを担当する人は、秘密が守れて信頼できる人にやってほしいね
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へいわ
確かに秘密を守ることは大事。相談者の秘密をタネに脅すような人には任せられないから つまり、きんろうさんのような結婚詐欺師には任せられないから、それこそもう人選がたいへん。
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きんろう
俺のような人狼に任せたら食われちゃうからな。なるほど、それはたいへんだ。
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へいわ
そうそう、だから知識以前に人狼か村人かの判断基準を決めることも大事。過去に犯罪歴がなくて、まっとうな生活を続けている人なら比較的、安心して任せることができる。
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ぶんか
例えば、この「りっけん村」に人狼がいるとしたら、どうやって見つければいいの?
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へいわ
人狼ゲームだと、それぞれが役割カードを持っているから、それを確認することができれば人狼か村人かの判断ができるんだけど、それと同じようにマイナンバー検索で犯罪歴とかの記録を含めたプロフィールが閲覧できれば、過去に犯罪を犯した人は見つけることができる。
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ぶんか
犯罪歴かぁ...「いじめ」や「いたずら」も犯罪歴に入るのかな?
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へいわ
「いじめ」はハラスメントも含めて明らかに犯罪になるよね。
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ぶんか
「いじめ」にも「悪質ないじめ」と「悪ふざけで済ませられるいじめ」があると言われてるけど
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きんろう
いじめられた側が肉体や精神に傷を負うことになれば、全てが悪質になるな
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ぶんか
それを判断するのは?
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きんろう
裁判所だな
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ぶんか
ここでも、さっき言った法律が重要になるね。人狼側にいる人間が法律を作ると人狼に甘い法律になってしまうね。特に罰則が甘くなる。
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へいわ
殺人を犯そうと考える人狼は、自分が罰を受けないための抜け道を法律に書き込むのが得意だから、法律は、人狼も村人も、どちらの立場の意見も取り入れたものにしないと、効力のない歪んだ不完全な法律になってしまう。
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ぶんか
心を入れ替えた犯罪者の例では「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンが有名だね。徒刑囚という過去を持つ彼だけど、戦争に参加しても殺人を犯さなかった。ただ、犯罪を犯せば犯罪歴という記録に残るけど、善い行いをしても善行歴には残らないよね。善行で上書きができない以上、彼は、永久に徒刑囚だったという人狼側の人間となってしまう。
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へいわ
そう、過去に殺人を犯した人狼「レ・ミゼラブル」の例でいうところのジャン・バルジャンや、ここにいる結婚詐欺師のきんろうさんが、このりっけん村に住民票を移したいと言ってきた場合、村役場の職員としては、どう対処するのが正解だと思う?
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ぶんか
転入届には、学歴や職歴は記入されてないから、まず、きんろうさんが転入届を出したら、受理するしかない
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へいわ
そうすると、りっけん村に、かつて人狼だった者が入り込むことになる。
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ぶんか
無条件で受け入れるしかないよね。
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へいわ
そうなると、りっけん村は「安全な居場所」ではないことになるね。毎晩、人狼に襲われる恐怖に震えながら生活するわけだから。
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ぶんか
うん
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へいわ
現在進行形の犯罪者と犯罪歴を持つ村人の区別は難しいわ
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ぶんか
つまり、記録やマイナンバーの紐付け情報だけでは、その人が現在進行形の人狼である判断は難しいってことだ。
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へいわ
そういう事になるね
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ぶんか
そういった犯罪者がいることを前提に「安全な居場所」を創っていくしかないんだね。
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へいわ
実際、ここに転入届を出しに来た結婚詐欺師がいるんだから対策は取らないといけないってことね。
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ぶんか
その対策となるのが「急増する若者の自死防止のため、相談・支援・見守りを強化し、直面する困難や孤独解消を目指します。」という政策に繋がるってことだね。
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へいわ
親を含む身近な人に相談できないことでも、ヘルプデスクに相談できれば、金銭的な支援も受けられるし、ストーカー犯罪などでは、見守り強化やガードマンをつけることができるようにはしていきたい。
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ぶんか
ガードマンとかは信頼できる人で腕力も備わっていないと務まらない。それこそ人材を見つけることが難しい。
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きんろう
俺は腕力には自信があるけど、信頼できる人に該当しないからガードマンは無理だな。
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へいわ
確かに結婚詐欺師に、ストーカー被害者のガードマンは頼めない。
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ぶんか
そして「サブカルチャー・ダンス・ミュージック・ゲーム・スポーツ・文化芸術等の活動の拠点づくり」が、このネットゲームカフェ「サークルゾーン」ってことだよね。
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へいわ
そうね。ここに来れば、世界各国の専門家とネットを通じて、あらゆる文化的な指導や支援を受けることができるから、次世代のプロプレイヤーの育成もできる。通信技術以外は人の善意に支えられてる施設ではあるけど、一応、このりっけん村では、一番自慢できる施設と言っていいんじゃないかな。
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ぶんか
ゲーム機もパソコンも、eスポーツのソフトウェアも全て最新のものが揃っていて、賞金を得られるイベントや大会に気軽に参加することができるのも嬉しい。
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へいわ
村の施設なので、誰もが公平に利用できるということが「一人一人の個性を生かし、チャレンジを支え」ることになる。
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ぶんか
小さい施設だけど、世界に繋がってるということで無限の可能性があるね
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へいわ
あとは「職場体験・自然体験・地域や異世代交流の機会を増やし、自己肯定感と生きる力を高めます。」の中の職場体験ということでは、この施設はまさにeスポーツプレイヤーの職場であるわけだし、りっけん村の土地のほとんどが農地でもあるから、農業体験もできる。 異世代交流となると、村の人口がまだまだ全然少ないけど、結局、ネットワークで繋がる施設を増やすことで、より多くの異世代の人とつながれる。
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ぶんか
そして、初めから繰り返し確認をした「ワークルール・消費者教育等の強化により、不当な行為に加担しない、被害に遭わない力を醸成します。」という政策が、ほんとうに重要なキーワードになるんだよね。
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へいわ
「元保育士、子育て経験者、元教師など地域の人材を活用し」とあるけど、この施設のネットワークで繋がる人の多くは直接のオンライン通話で協力を得た人たちなので、人財活用という意味では、りっけん村在住というような地域に限定しない無限の人財活用の可能性があるってことになるよ。だから、この部分は、完全にりっけん村が先を行ってると思う。村の人材が不足してるから苦肉の策なんだけどね。
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ぶんか
「思春期の子どもを持つ親が悩みを相談できる拠点と体制を作り、支援します」については?
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へいわ
まさに私自身が、あなたという思春期の子どもを持っているわけだから、積極的に、この施設を利用して相談を受けないといけないって思ってるよ
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ぶんか
俺は手がかからないほうだから、あんまり相談することはないよね。
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へいわ
それでも、毎日1回は相談してるよ。でもまぁ、雑談が多いのかな? じゃあ、逆に「子どもが不安や悩みを相談するための、文部科学省の「24時間子どもSOSダイヤル」などについて、IP電話やSNSでも対応できるように施策を講じます。」 については、どう思ってる?
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ぶんか
ヘルプデスクより、SNSのオンラインチャットを多く利用してるかな?ヘルプデスクは一人の回答しか受け取れないけど、オンラインチャットだと、同じような悩みを持ってる人がいたり、その人へのアドバイスを多くの人がやってるから。 俺が訪問するチャットルームは3つくらいだけど、どこも居心地がいい場所だから、ほぼ毎日、相談や悩みがなくても行ってるよ。
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へいわ
ゲームしながら相談してるのは私も見てるよ。
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ぶんか
やっぱりバレてたか。FF14の「Pingfu」さんって、母さんだよね
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へいわ
私は「Bunta」って名前ですぐにピンときたよ。
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ぶんか
「高校の未卒業者等の実態把握と相談・支援ができる機能を強化します。」については今のところ、りっけん村では該当なしだと思うけど、必要があれば、今すぐ高校を退学して就職してみるけど、どうする?
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へいわ
好きにしていいよ。今の高校が居心地良ければ続ければいいし、もっと良い高校が見つかれば転校してもいい。仕事が好きなら就職してもいい。学校自体が嫌いなら退学してもいい。 学歴とか関係なしで働く場所なら、このりっけん村には、ちゃんとあるからね。 ただ、このネットゲームカフェ「サークルゾーン」で働くなら、公務員試験に合格して、公務員資格を取る必要はあるけどね。
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ぶんか
そうだね。考えてみるよ。今のところ、高校も、この「サークルゾーン」も、俺にとっては「気軽に立ち寄れる安全な居場所」だと思ってるよ。

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